IPoEの開通問題について考える。
巷ではプロバイダを変更する場合、「IPoEの切り替えがスムーズに行われない」点について、明確に説明できているサイトがあまり無いのが気になります。
IPoEから他社IPoEへ切り替えする場合(ソフトバンク光を含む)、
原則として一つのルールがある事が、案外知られていないようです。
ルールとは以下の内容です。
【一度接続されているIPoEに対して、他社のIPoE接続を上書きできない】
これまで主流となっていたPPPoE接続は、IDとパスワード情報を利用者側の機器で設定するので、接続先の選択権はエンドユーザー側にありました。
対してIPoEは光回線側の情報を元にエンドユーザーの終端装置を特定し、
ネットワークの接続を行うようリクエストを出します。
その際、別のIPoEが既に接続されていると、新しい接続リクエストは拒否されて返ってくるわけです。
PPPoEと異なりエンドユーザー側で選択できない仕様のため、よく事業者変更などでは
「契約上は開通しているのにも関わらず、変更先のプロバイダに接続ができない」
というトラブルが発生するのですが、これは単純に「変更前のIPoE接続が居座っているために、次のIPoEが入らない」状況を示しています。
そこで普通は「それじゃ、変更前のプロバイダにIPoE切断リクエストを出してもらえば解決するんじゃない?」と思うわけですが。
ところが、プロバイダは直に接続・切断を行っているわけでは無くて、
あくまで【リクエスト】を送っているだけです。
変更前のプロバイダも変更後のプロバイダも、
IPoE処理のリクエストは開通日に合わせて発信してるんです。
実際にいつ処理が完了するかはNGN内部の動き次第で、プロバイダはリクエストの結果が返ってくるのを待つしかできない仕様です。
だから変更前のプロバイダに「いつおたくのIPoE接続が切断されますか?」
変更後のプロバイダに「いつそちらのプロバイダで接続できるんですか?」と問い合わせても、
「リクエストは出してますが、(NGN内の)処理待ちでいつ完了されるかは分かりません」としか
答えを持ってないんです。
また、このNGN内の処理が色んな理由で、よくリクエストを完了させないので、
事業者変更で2~3日切り替えが待たされることも珍しくありません。
こういう仕組みって、結構プロバイダや回線の担当者でも知らない人がそれなりに居るらしく、サポートに問い合わせしても微妙な回答してることあるんですよね。
検索に引っかかる事を期待して、単語を並べておきます。
IPoE 切り替わらない 事業者変更 IPv6 ソフトバンク光 開通しない 上書き
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